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中心市街地の安易な建替え減税に飛びつかない

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街なかを活性化させようと、多くの自治体が頑張っていますが、その政策の1つとして、中心部の固定資産税の減額があります。

今回は、減額があるからと言って安易に飛びついたりすると、危険だという話です。

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最近の駅前商店街は廃れていて、シャッターが降りていて、暗い雰囲気のところが多く、市や県や国が一生懸命対策を考えています。そして、その対策の一貫として、中心市街地のビルを建て替える場合に、一定期間固定資産税を減額するなどの特例を出している自治体もあります。

しかし、安易に減税だからと飛びついて、その後のことを考えずに建替えをしてしまうと、後で後悔することになります。

 

・建替えを検討した老夫婦

ある地方自治体の駅前に住んでいた大家さんの老夫婦が、建物の老朽化で建替えを検討していました。その建物は2階建てで、一階は大家さんが昔使っていた店舗、2階は住居になっていて、1階部分はほかの人に貸していました。

その街は、駅前が寂れているといっても、まだ多少お客さんがいるので、一階部分を貸していて、大家さんは家賃をもらえて何不自由ない生活をしていました。

 

・建築会社の建替え提案

建物が老朽化しているので建て替えたらどうですかと、ある日建築会社の営業の人がやってきあました。最初は、古くても気に入っている建物なのでと、大家さんも追い返していましたが、今なら中心地の活性化のために減税をしているという話を聞いて、建替えの話を聞いてみることにしました。

建築会社の営業は、急いで建物のプランを考えてきました。

プランの内容は、5階建ての建物で、1階から4階までをテナントに貸して、大家さんはビルの最上階である5階に住むというものです。営業の話では、立地は良いので建物を建て替える費用は1階から4階までのテナントが家賃として払ってくれるお金でまかなえるという話でした。しかも、今なら固定資産税が減額されているので、楽に返済できるというプランです。

それならば、ということで建替えをすることになりました。

 

・テナントが決まらないリスク

早速、建物の工事が始まりました。良い立地なので、2階から4階までのテナントはすぐに決まりました。テナントビルの場合、上の階に行けば行くほど人が上がって来にくくなるということで、上の階の方を安い家賃にしていることが多いです。そのため、上の階から順番にテナントは埋まっていきました。

しかし、いつまでたっても1階は決まりません。結局、ビルが完成しても1階のテナントは決まらず、空き部屋になったままでした。たまに話しは来るのですが、家賃の高さで逃げていってしまいます。

でも、1階のテナントが決まらない理由はそれだけではなかったのです。

 

・建築会社が断っていた

テナント募集はそこの建築会社が大家さんに依頼されて行っていました。建築会社は仲の良い不動産会社に声をかけてテナントの募集を行っていました。繁華街の一階なので、いくら家賃が高いと言っても多少の話はきます。しかし、建築会社の営業が、自分たちの工事の仕事を取るために、内装工事をさせてくれないテナントを勝手に追い返していたのです。

不動産会社の人も、建築会社から仕事をもらっている立場なので、建築会社の営業の人のいうように動くため、言われるがままにテナントを選別していました。

そんなことをしていたので、建物が完成しても結局1年以上1階は空いたままになっていました。そして、1年半になるころにやっとテナントが決まり、入居して家賃が入ることになりました。

 

・大きなビルは維持、管理費がかかる

建て替える以前の建物は2階建ての小さな建物だったので、特別な維持費はかかりませんでした。しかし、今回は5階建てのビルです。しかも、エレビーター付きです。

エレベーターがあると、定期的にエレベーターの管理をしないといけません。当然、専門の業者に頼むことになるので、管理費がかかります。24時間の遠隔監視システムなどをつければ、システム料も毎月かかります。

また、消防関係も定期的に検査して、消防署へ書類を提出しなければいけません。これも専門の業者に頼むので、費用がかかります。さらに、天井に取り付けた照明の位置が悪く、簡単には交換出来ないため、照明が切れたら電気工事業者に依頼しないと交換出来ないので、費用がかかります。

と、これだけでも大変なのに、さらに大変になりました。

 

・固定資産税の減額期間が終わる

市で制定している固定資産税の特例期間が過ぎて、特例が終わることになりました。当初は、家賃が入っているため、返済は簡単だと思っていたのですが、1階のテナントが長い間決まらなかったことで、かなりの返済の余裕が失われました。さらに、追い打ちをかけるように固定資産税の特例が終わりました。

当初は、ビルを建てた直後の高い家賃で、安定して返済ができると考えていたのですが、入居のときには家賃を値切られ、さらに現在でも景気が悪くなったといって、テナントから家賃減額の要請があります。

当初の計画が甘すぎて、結局、返済は本当にギリギリ、なんとか貯金を切り崩しながら返している状態です。すでにかなりの高齢で年金生活者なので、仕事を増やして返済ということも出来ません。

テナントだけのビルなら、最悪無くなってしまっても生活は出来ますが、大家さんの住居もついているので、返済が滞れば銀行に追い出されてしまいます。

最後に会った大家さんは、疲れた顔で、銀行に返済期間を伸ばして、毎月の返済金額を減額してもらうようにお願いしてくると言っていました。

ビルを追い出されて、行き場が無くなったりしていなければ良いですが。

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2014/01/09 | 税金の話

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