雨の多い時期になると家で休んでいてもいつ「雨漏り」の連絡が来て緊急出動しないといけないかとドキドキします。しかし、雨漏りの大きな原因の一つは「屋上の排水口」のつまりです。こちらは定期的に清掃する事で雨漏りを減らすことができます。
・雨漏りの連絡を受けて確認すること
ビルのテナントさんや、アパート、マンションの住民から雨漏りの連絡を受けたら、とりあえず現地にいきましょう。
「雨が降っているときに行っても雨漏りを止めることはできないので行ってもしょうがないじゃん」
と、思っている大家さんがいたら、それは間違いです。雨漏りのときは、
1、雨漏りしている状態を確認して雨の侵入経路を探る
2、後日、雨が乾いたら防水処理をする
という流れが大事です。この「1、雨漏りをしている状態を確認」というのは雨漏りしている状況でないと確認できません。雨が乾いてしまったら雨がどこから侵入してきたかがわからなくなるので、まずは雨漏りしている現場を確認しにいきましょう
・雨漏りの現場は屋上から
上の写真のように屋根がフラットになっているビルやマンション、アパートの場合はまずは雨漏りの報告を受けた場所を確認したあとは屋上に行ってみましょう。屋上が一番簡単で素人でも雨漏りの判断や対処が出来る場所です。
屋上にあがったら屋根の上に水がたまっていないか確認です。もし、対して雨が降っていないのに屋上に水が溜まっていたらまずは排水口を確認しましょう。
このような状態が正常ですが、ここにゴミが溜まっている場合は排水口が詰まってしまい、水が流れにくくなって屋上に水がたまってしまいます。
「屋上には何も置いてないから排水口がつまる訳が無い!」
と、思う大家さんもいるかもしれないですが、屋上に物を置いてなくても、遠くから飛んできた枯れ葉やビニールゴミが堆積することによって排水口の詰まりの原因になったりするので、屋上に物を置いてなくてきれいにしているとかは関係ありません。
・なぜ、屋上の排水のつまりと雨漏りが関係している?
屋上の排水口のつまりのことばかりで雨漏りのことについて説明してないですが、屋上に水が溜まると雨漏りをしやすくなる原因がこちらにあります。
ちょうど、屋上とその立ち上がりの部分。ここの防水が弱くなっている場合が多いです。
屋上の防水は通常10年で新しくしないといけないという話もありますが、実際には何十万、面積が広く高い時には何百万というお金がかかるため、ちゃんと定められた期間で更新している人は少なく、実際には何か不具合が起きてから屋上の防水を張り替える大家さんが多いのが現状です。
写真のような屋上の場合は、特殊なシートを屋上から写真の矢印の部分、更にちょっと立ち上がっているところまで一気に貼ってしまいます。しかし、これが古くなるとシートが劣化して縮んでくるため穴があいたりして雨漏りの原因になるのです。
屋上の排水がしっかりしていて水が流れていれば、多少防水が古くても屋上の水が流れていくので、雨漏りになりにくいですが、排水口が詰まって水がたまった状態だと防水シートの痛みやすいところの劣化した部分から水が浸入して雨漏りになることがあります。
また、写真の矢印の部分以外でも防水シートは一枚で出来ている訳ではなく、つなぎ目を加工してあるので、つなぎ目から水が浸入することもあります。また、屋上にポンプやエアコンの室外機を置いている場合は設置部分は屋上の基礎の部分と直接つないでいるため、室外機などの足の部分の防水シートにすきまが出来ている場合もあり、これも雨漏りの原因になります。少しの穴ならコーキングをうったりすることで雨の侵入を防ぐこともできますが、屋上防水の年数が経っていたり、全体的に劣化しているようなら一度業者さんを呼んで見積もりをとってもらうことを勧めます。
・まとめ
雨漏りっていってもこの場合は処理が簡単です。屋上の排水口のゴミをとって、ダメなら防水シートの確認。それでもだめなら屋上の防水を新しくすれば良いだけですから。
しかし、もっと怖いのが防水を張り替えても雨漏りが止まらない場合です。この場合は一度ちゃんとした業者に見てもらうと良いと思います。
雨漏りで怖いのは、「建物の痛み」と「損害賠償」です。以前、東証1部上場企業の支店に入居してもらっているビルで雨漏りがありました。ネット関係の仕事をしている会社でしたので、サーバーを置いてある部屋があったのですが、もし、その部屋に水が浸入してサーバーが止まってしまったら損害賠償の話になってきます。
ちゃんと屋上の防水を耐用年数が過ぎて張り替えていたり、定期的に雨漏りしないようにチェックしたりしていれば裁判になっても戦えると思うのですが、あまりにずさんな管理だと損害賠償を請求されることもあると思います。
そういったリスクも考えて大家さん経営をしていかないといけないですね。