大家さんって放っておけば家賃が入ってくる楽な商売だと思っている人が多いと思いますが、最近の大家さんの立場はどんどん悪くなってきています。
それは世間の「大家さん」=「金持ち」のイメージから「大家さん」=「悪者」、「賃貸者」=「貧乏」、「賃貸者」=「正しい」というイメージによって立場が悪くなっているようなきもします。
これは、そんな大家さんのつらい状況の話です。
大家さんになろうと思う人は必ず通らないと行けない道。
それは「家賃滞納」です。
物件を増やすに従ってある一定の確率で必ず家賃滞納は発生します。管理会社が対応してくれれば、催促の手間は省けますが、滞納分の補填までしてくれるところは少ないでしょう。
今は家賃補償会社があるので、家賃保証会社を通していればある程度は楽になると思いますが、自分で対応しなければいけないときの「家賃対応」は最悪です。
・実際の家賃滞納の対応
まず、電話をかけます。ここで、ちゃんと電話に出てくれて、すぐに払うという約束を取り付けて、ちゃんと払ってくれれば話は簡単ですが、なかなかそんな良い話はありません。あったとしても最初だけで、だんだんと電話して約束しても入金が遅れたり、だんだんと電話に出なくなります。
そうなると、だんだんと支払いが遅れてくるので、今度は家に行きます。それでも居留守を使って会おうとしない人も多くいます。
と、なるとだんだんと温厚な大家さんも腹がたってくるでしょう。
・ある店舗の家賃対応の話
ある仲の良い不動産屋さんから、とある大家さんの話を聞きました。その大家さんは店舗用の物件を持っているのですが、その物件を貸している店が家賃を滞納したらしいです。
最初は、電話で催促して払ってくれていましたが、先ほどの話のようにだんだんと支払いが遅くなって、さらには電話にも出ないようになって。
結局、店にも行って話をしましたが、景気が悪いという理由で払えないと突っぱねます。しかも、払えないなら店を明け渡して出て行けば良いのに、出ていこうともしません。
さすがの大家さんも怒ってしまい、強硬手段に出ました。
・店のドアをロックした
お店の人がいない間に鍵屋さんにお願いして、ドアの鍵を交換して中に入れないようにしました。不動産会社で言う通称「ドアロック」です。
お店の人が店の開店準備をしようと思って店に来てみると、鍵が変っていてドアが開きません。これは、大家さんのしわざだと思い、大家さんに連絡しますが大家さんは溜まっている家賃を支払ってくれるまで鍵を開けないといいます。
結局、そんな感じでごちゃごちゃ話をしていて、少しの間店を開けられませんでした。
・結局、裁判へ負けたのは?
結局、その話は裁判までいき、最終的には大家さんが負けてしまい、損害賠償をしたそうです。家賃を滞納されてさらに損害賠償まで請求されて、大家さんとしたらたまったものじゃないです。
ドアロックという強行手段は以前は大家さんの間で横行していたようです。家賃を払わない人の家や店のドアの鍵を勝手に変えて中に入れなくするのですが、それは問題になり周知されて最近ではドアロックをする大家さんもほとんどいなくなりました。
大家さんとしては、ただ溜まっていた家賃を払うか出ていくかしてほしかっただけなのに、ドアロックをしたことで損害賠償まで払うはめになってしまったそうです。
・もしかしたらわざとドアロックさせた?
ここからは推測になりますが、もしかしたら貸していた店舗の人が「あっち系」の人で、最初からあまり家賃を払う気がなかったのかもしれないという想像をしてしまいました。
そして、家賃を払わずタダで店を営業していて、ドアロックされたらそのことを逆手に取って裁判をして店がオープン出来なかったときの損害賠償を請求する。
ちょっと考え過ぎかもしれないですが、ありえない話ではないと思います。大家さんも入居審査を不動産屋に任せっきりにしないで、多少は自分で判断することも必要でしょう。
とりあえず、くれぐれも大家さんはドアロックはしないようにしましょう。